杉山裕樹(スギヤマヒロキ)
1953年生まれ
大学を卒業後、就職。 小田実の「何でも見てやろう」を読みどうしても旅に出たくなり、3年後に退職。
初めての旅は、1年ほど掛けて東南アジアからインドを回るが、 インドで病気になりあえなく帰国。10年前、大阪梅田で行われた「ネパールフェアー」で知り合ったチエと旅先のネパールで落ち合い、 その後ギリシャまで半年間旅を続けた結果、 現在では、一人娘の海香(ウミカ)と3人で暮らす。
今は、コンピュータシステム開発の仕事をするかたわら、暇があれば近所の山や里を歩く。
そして、たまに家族連れでインドネシア(バリやスマトラ)に出かける。旅をするには当然乗り物に乗るが、 少しでも遅い乗り物を利用する方が旅を楽しめると思う。
飛行機よりも列車、バス、船、自転車、馬、ロバ、ラクダ、そして何よりも「歩き」。
チベットを旅している時見かけた、巡礼の旅の人々。
ほとんど何も持たず、歩いて旅を続けている彼らの姿が今でも目に焼き付いている。
あれこそ、究極の旅の姿だろう。
ただ、ぼくはリュックの中に寝袋を詰めてトレッキングするか、 バスや鉄道で旅するのがせいせいだ。開高健がエッセイの中で
「飛行機は下品な乗り物である。 心の豊かな人はもっとゆるりとした乗り物で旅をする」
と書いていたが、全く同感だ。旅を楽しむには、高級ホテルより民宿や安宿に泊まり、
飛行機や豪華列車よりも、地元の人たちが利用するローカル列車やバスなどを使う方がずっといい。
市場や土の臭いをかぎながら旅する方がずっといい。荒削りな自然とエネルギーに満ちた人たちが激しく共存しているような国々と比べると、 日本の町は、あまりに小ぎれいで箱庭のように感じる。
特に、キラキラと輝く地下街に入ると目眩いを感じるのは私だけだろうか。旅の好きな全ての人に「アジア街道各駅停車」を捧げます。